お題・長
―、けれどそれは、酷く単純な理由。
―、憎しみが生んだ愛情に、染まり行く愚かな双眸。
―、知らない事が罪になるのを、まだ貴方(貴女)は知らない。
―、迫り来る何かに怯えながら、揺れる瞳は綺麗過ぎて。
―、汚れた腕すら愛しいと、愛でる瞳に涙した。
―、溢れる想いが渦巻いて、止まらぬ衝動が血を流させる。
―、錆び付いた枷が崩れた刹那、垣間見た己の情欲。
―、這い回る熱を冷ます術さえ、今の僕(私)には見つからない。
―、降りしきる雨の中、佇む背中は今日も独り。
―、熱の篭った腕に抱かれて、瞼を閉じれば夢世界。
―、囚われた心は悲鳴を上げて、それでも貴方(貴女)が愛しいと言う。
―、届かぬ指先が痛む中、流した涙は一雫。
―、戸惑う腕を無理矢理引いて、望まぬ別離に怯えたあの日。
―、それはまるで、幻のような幸せ。
―、貴方(貴女)の傍で眠れるのなら、もう何も要らない。
―、涙を浮かべた双眸を、慈しむのは悪魔の唇。
―、遠ざかる背中を追い続け、霞む視界は蜃気楼。
―、忘れようとあがいても、消せない証が心を縛る。
―、それらはただ曖昧に存在する、痛みと言う名の記憶。
―、絡めとられた指先を最後に、今日も貴方(貴女)の為すが侭。
―、愛して欲しいと願う度、色を失うこの瞳。
―、変わらぬ声も眼差しも、全ては夢に消える幻。
―、それはただ刹那に夢見た、愛した君(貴方)への接吻。
―、溶け出す音に包まれて、君(貴方)の温度に堕ちて行く。
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