二年目。

□11th
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そのかわいらしい唇に触れたいと思った。
うす赤色の・・・・その唇に

【act11:ファーストキス】


顔が近い・・
これは・・もしかして・・

達「…(キスしても・・いいってことか?)」

ムードも良し・・
達也は思い切って、顔を近づけた

…のだが。

「や、やっぱ嫌あああああ!!!!」
達「あべし!」

美空の手がそれを拒んだ
達也は少し残念そうに身を引く

達「いやいや、そこはキスしてもいいムードやったやろ?」
「まって、心の準備ができていない・・・・だって・・私この歳で、まだキスしたことないから・・・」


キスという行為が恥ずかしいらしい。
そりゃ・・美空の気持ちを優先させたいけどね・・
晴れて俺たちカップルになったのに


達「うぅ・・・じゃ・・おでこに」
「う・・ご、ごめん」


美空のでこにキスをして
ニコリとほほ笑むと、美空は顔が真っ赤になる

達「(可愛いなあ。こういうところうぶだから可愛い。)」
「ばか・・あほぉ!」

かという達也もキスは一度だってしたことがない。
本人いわく『美空としかキスしない!』だそうだ

「な、なんやねん!いくで!!」
達「うん。」



達也はまだ、頬を緩ませながら美空をじっと見ていた。
美空は恥ずかしさのあまり、一度達也にけりを入れた。



練習している最中も、コーチが気を使ってか、ブルペンは二人だけだった。
そんな気遣いが美空にとっては気まずく
なんでそんなときに空気読むのかと心底脳内ピンクの世間を恨んだ。




達「あ、・・・れ?」


投げていると、達也があることに気付く。
美空は急に何事かと思ったが、また賞もないことなのだろうと少々冷たい視線を送っている


「なん?」
達「いや、・・美空のフォーム変わってへん?」
「わかる?」
達「うん・・なんか微妙に、違う気が」
「へへ、ちょっとね・・・この前考えた。
この方が肩に負担もいかないし、よりいい球投げれるって気づいたんや」
達「たしかに、昨日よりもなんかキレがでてるし、うん、今度の試合で・・?」
「ふ、はは」
達「?」
「ごめん、・・・なんか、こういう会話久しぶりやから」
達「そうか?」
「なんか、最近野球より恋愛のほうが多くて・・・自分の野球が・・壊れていきそうやった気がする」
達「・・・・」
「でも、それもいいなって・・、私、きっとどこかで達也のことずっと思ってた
だけど、野球、野球、野球でそれを忘れようとしていた」
達「美空…」

「もちろん野球は大好きや。やってて楽しいもん。
でもな・・それよりもこの感情を・・人間の一番大切な感情を押し殺してやる野球は・・
正直苦しかったんや」

強く強くいないと、女の子だからすぐに野球から離されてしまう
だから、人を好きになると弱ってしまう
そのトラウマがあるから美空は怖がっていた。


達「無理・・してたな!」
「でもな・・今回、達也と・・その・・け、け…っこんすることになってさ、わかったんや。
好きな人がいるから強くなれるって」
達「美空、そうや。俺は美空が好きやから・・ここまでこれたんや
だから、この気持ちをこれからは力に変えていこうな?」
「うん。」




美空は笑顔で再び達也にボールを投げた



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