二年目。

□10th
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【act10:happiness】


さすがだなと、美空は感心した。
情報が漏れたいじょう、球団は会見を開くしかなかった
その対応が・・・なんともはやい。



「うぅ・・・逃げたい」
達「何言ってるん、婚約記者会見やろ?」
「そ・・やけど、はずかし・・・い」
達「美空・・・わかった、質問は俺が答えるから。美空はじっとしてていいよ」
「達也・・・。ありがと・・でも、」
達「でも?」
「でも・・これは二人のことやから・・。
がんばる・・ごめんわがままで・・」
達「ww」

美空が顔を赤くして言うので
つられて達也も赤くなる

達「じゃ、一緒に答えよう」
「うん。がんばる」

達也はぎゅっと美空の手を握って、
会見場に引っ張っていった
すると、待ち構えていた記者とカメラマンがいっせいにフラッシュをたく


達「さ、すわって。」
「・・・」

こくりと美空はうなずいて促されるまま席に座った。
その後隣に達也が座り、記者が順番に質問する。


達「えっと、この暑い中、来ていただきありがとうございます。
この度、僕、吉長と隣にいる白金が結婚いたしますことを報告するため会見を開きました。」

『いつごろ、結婚する予定ですか?』

達「・・・まだ、未定ですが、今シーズンが終わったら式を挙げようかと思います。」

達也が淡々と質問に答えている
美空は恥ずかしさと緊張のあまり下を向いている
そしてそれを見た記者は美空に質問をした。


『白金選手。吉長選手からのプロポーズの言葉を教えてください』

「え?あ・・・その・・」


あまりに唐突な質問で
美空は思わず裏声が出てしまった。
あせっている美空に会場は少し笑いにつつまれた。


「え・・と・・・。すき・・や・・けっこんしよう・・っていわれました」


とぎれとぎれに美空が言うもので
美空は記者に見えないように、達也の服をぎゅっと握っていた
達也はそれに気づいてそっと、美空の手を握った。


「『達也!?』
達「『シー。大丈夫、向こうには見えてないよ』」
「『・・・うん』」

アイコンタクトで会話をすると、
達也が、美空の言葉を代弁する。


達「まぁ・・お恥ずかしい話。最初は、どんびきされまして。
プロポーズ場所は、広島遠征に行ってたときに・・・景色のいい場所でしました。」
「・・・」
達「それで・・美空にじっくり考えてもらって・・。そうですね、つい先日・・・返事をいただきまして。
それがもう、うれしくて。」

『なんと、返事をしたんですか?白金選手?』

「好きです。・・・っていいました」


もう、いいかげん心臓が破裂して
死んでしまいそうな美空
それを見て、記者は可愛いなと、惚れてしまう。


達「可愛い〜ww」
「うるさい!」
達「愛が痛い」
「も、もうとりあえず!これで・・かんべんしてください!それじゃ!これでおわりです!
ありがとうございました」

美空は顔を隠すように礼をした。
記者はまだ聞きたそうだったが、これ以上質問すれば確実に美空が壊れてしまうと思い、悔しいが会見を終わらせた。











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