二年目。

□4th
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【4th:ココロリズム】

プレイボールと始まってから
淡々と試合が進む
美空も阿久津も両者一歩も譲らないピッチング。


「(あのピッチャーの癖は、複雑に見えて、実は単純。)」

阿久津の投球を見ていた美空が
短い時間で分析した

「達也。」
達「何?」
「あいつの弱点は・・」
達「あぁ。」
『カーブの曲がりが弱い』

次は達也の打席。
美空は達也の背中を押して

「ファイト・・・。」

といった。
達也はニコッと笑って美空の頭にポンと手をおいた
安心しろ・・と言う意味だろう。

達「美空・・大好き。」
「あほ・・・はよ打席たって来い」
達「はいはーい。」

「ったく。・・・あれ・・・」

美空は達也の背を目で追う。

「(アイツの背中・・あんなに、あんなに大きかったっけ?)」

ずっと見てきた背中。
いつも、そばにいたはずなのに
いや、いつもアイツの正面を見ていたから
分からなかったのかもしれない。
いつのまにか、自分にとって頼れる存在に成長している。


「(どうして・・)」


背中を見るだけで
こんなにも胸が締め付けられるんだろう。
誰かに心臓をつかまれているみたいな
この気持ちはなんだろう。





『美空・・大好き』



アイツの言葉が耳から離れない。


「(悪夢の事件から・・・・あいつのいいとこ見るたび、変だ・・・)」








どうせ、ふざけていっているのに。
どうしてまともにうけようとする?




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