platinum Beautifulsky

□act17
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誰にだってある弱点
怖いものがないなんて
ありえないのだから

【act17:再発の前兆】

"飛んだ"今日の試合に美空は終わったあとも
、しばらくは恐怖のあまり足が震えて立てなかった
達也が血相を変えてベンチから駆け寄った
が、美空は少し苦笑いをしていた

達「大丈夫か!?怪我ない?」
「大丈夫・・。やけど・・ちょっと立てない」
達「え!どっかうった?」
6「腰が抜けたんじゃな」
「はい。」
達「金本さんは、大丈夫なんですか?」
6「あぁ、大丈夫じゃ。」
達「美空を助けてくれてありがとうございます」

達也が深々と礼をして美空をおんぶする
金本も同時に立ち上がりそれじゃ、と言ってお立ち台へと上っていっていた

美空たちはゆっくりとロッカーに向かう

「ごめん・・迷惑かけて」
達「何言ってるねん、むしろ俺はこうやって頼ってもらうほうが嬉しいしv」
「あほか・・」

美空の声が震えた
でも一生懸命泣かないようにこらえている

達「怖かったやろ?あんな高いところ」
「・・・うん。・・でも、グランドで泣いてしまった・・」
達「大丈夫・・・。だれも美空の涙を見てとやかく言う人はいない。だから」
「・・・」
達「今は泣いてもいいねんで?」
「た・・つや」

美空は達也の大きな背中に顔を隠して泣いた
美空なりにがんばって声を抑えたけど
どんどんあふれてくる涙に声もあふれた
先ほどこれでもかと言うほど泣いたのに
なんで、なんでだろう

達「美空・・つらかったなぁ」
「な、ないて・・ないから・・な」
達「わかってる。全部俺の汗やしー。」
「あほ・・//」

達也はロッカーの方に美空を連れて行った
もう、他の選手はいない
それを確認して達也は少しだけ美空を外に出してすばやくジャージに着替え
美空をロッカールームに入れた

達「落ち着いたら出ておいで。
それまで俺は外で待ってるし」
「うん・・ありがと」
達「あ、良かったら俺の胸の中で泣いても・・」
「殴るぞ!」
達「いててて・・まぁ外で待ってるから!」


達也は外に出てドアの横で待った


「あほか・・。あいつ・・もう・・達也のあほ・・」


あと少しだけ
あと少しだけ泣かしてください
あたたかな優しさに包まれて

幸せの涙


「ありがとう・・」




泣いた後は
必ず・・笑って見せるから。






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