platinum Beautifulsky

□act16
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『ライトで出てもらう』
その言葉に驚いた

【飛翔】


籠の中の鳥はいつまでも空を飛ぶことは出来ない
飛べる才能があったとしても
あのすみきった空には邪魔な籠があって飛べない

聴力は使えるがジャンプが高くったって投手にはあまり意味も持たない
中途半端に届くだけのものでしかなく
それはつぶされている

美しい空を飛翔する姿を
籠の中の鳥は頭の中に浮かべている


「そんな!無理ですよ!私は投手ですよ?」
72「高校の時は外野守ってたこともあったって聞いたんやけど」
「まぁ・・・。でも、それは高校のときの話であって、プロの腕ではないですよ?」
72「何を言う。白金は足も速いし、打撃も良好、高校時代のビデオを見せてもらったけど肩もいいし
しかもこの前外野のほうでフェンスを蹴って飛んでいったじゃないか」
「あ、あれは・・その」
72「本当は外野もやってみたいんやろ?」
「・・・そんなことは」
72「いつも気になっとたんや、右用と左用のグラブにくわえて、外野手用のグラブを持ってたこと」

確かに美空は外野手用のグラブを持っていたがそれは
今の投手用のグラブはプロになってから変えたものなのでしかもそれは後輩がどうしても欲しいといったのであげて
高校時代のあの甲子園で学んだことを忘れないために唯一のこった外野手用の持っている

72「とりあえず、今日はライトでがんばれ」
「はい。わかりました」

半分押し付けられたような気がしたが美空の胸には少しの不安が残った。


「(私は高所恐怖症、この前はあまり飛ばないだろうと思ってやってみたら意外に飛んで怖かったし、もうやらんとこうと思ったのに、でもま、アレをしなかったらいいんやし・・な・・)」
達「どうしたん?そんなくらい顔して。」
「た・・達也」
達「うわっ、どうした!?」

美空は不安のあまり達也に抱きついたいた
達也はとっさの出来事に半分驚いたがものすごく嬉しかった。
でも、美空が今まであまりしてこなかったことなので固まっている。


「ご、ごめっ。それより!今日はライトで出ろって言われた。」
達「(あ・・・離れられた。)あ、ああ。そうなん・・・・。ってえぇぇぇえええ!!」

本日二度目の叫び声。


達「ほんまに?」
「ほんま・・。でも、私は投手としてやってきたし・・。上手く守れるともおもわへん」
達「いいやん。」
「え?」
達「一度は経験してみるのもええかもよ」
「でも・・・」
達「人生何事も経験!っていうやろ?
大丈夫俺が応援しとくから」
「うん。やってみるわ」

美空は笑顔を取り戻した
不安なんてもう無い


達「なぁ、美空もう一回抱きついてv」
「うるさい!」





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