platinum Beautifulsky

□act12
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【act12:こんなにも弱い私だから】


観客も帰り静まり返った甲子園で独露は口を開いた

独「今までお前を誤解しとった、すまんかった」
「・・?」
独「えーと、なんだ・・。二打席目のお前の球には驚いた。白金のストレートにわしがまさか力負けするとは思わなかった・・けぇ」
「こちらこそ・・・神速が達也と父以外に当てられるなんて思いもしませんでした」

美空は苦笑いして独露の方を向いた
達也は相変わらずきつい目つきを変えない

「でも、私は少々神速に頼りすぎていたのかもしれませんね。」
独「そんなことはない・・。わしは、おまえからその神速を打つために毎日マシンと向き合った
だが結果はどうだ、外野フライじゃ。」

達「そうです、外野フライ・・・ですよ。
 あてて、しかも外野まで運ばれた・・・
あなたには『苦労して考えたボールが当てられる』気持ちがわからないんですか?」
「達也・・素直に私の負けなんや!
今度は打たれないようにせな・・」
達「美空・・・」


「てわけで、私は用事が出来たので・・用事はそれだけですね?」

独「おいっ!!もしかして今から練習するんけ!?」

「そうです・・反省の意味も込めて今度はあなたに打たれないように改良します。それでわ、」

失礼しましたと言って美空はグランドを去る
達也は美空が行ったのを確認して独露に一言言った

達「今度美空を侮辱するような言動があれば、そのときは容赦なくカープをぼこぼこにしますから」



独「おまえ、あの女に惚れとんのか?」
達「もちろんですよ」
独「女らしくないあいつにか?」
達「女らしくない???あんなに美空は可愛いんですよ?」
独「可愛い・・?」
達「独露さんは普段の美空を知らないからですよ。
まぁ野球をやってるときもですけど
頭を撫でたら一瞬顔を赤くして恥ずかしがるんです。もうその仕草にキュンってくるんです。
あと何だかんだ言いながらも俺にご飯作ってくれたり〜、あと中学校の時にはマフラー作ってくれたり
ツンデレなところがまた・・」
独「ほんまにはまっとんの・・」

独露は半分あきれながらもその話を聞いた。

達「ってわけで俺は美空と練習しますので・・また勝負しましょう」

じゃっと、言って達也は美空の後を追った。
独露はグランドで一人二人のことを思いうかべた

独「(あの二人は、努力して力を勝ち取ったんじゃな・・
わしも気合入れてがんばらんと)」

独露は荷物をまとめて球場を去った。










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