宝物(文)
□そんな始まり
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“真逆薬”
思う感情とは全く反対の意味の言葉を、知らずと発言する薬である。
図書館で、ふと手にした古びた本にそう書かれ、興味を示した僕はすぐに材料を確認する。
やったね!どれもすぐに入手できるモノだ。
材料をすべて集めた僕は早速、必要の部屋で調合を始める。そしていとも簡単に作り上げた。
「完璧だ!さすが僕!」
さらりとした透明の液体を小瓶に詰めながら、僕は思わずほくそ笑んだ。
ターゲットはもちろん、かの有名なセブルス・スネイプ!
陰険で根暗!口を開けば闇魔術かイヤミだけしか出てこない!常に人を蔑んでいるそんなスネイプに、この真逆薬を使えばきっと、ホグワーツは少なくとも間違いなく平和になるはずだ!!
なんてったって真逆薬!
スネイプが誰かに辛酸な言葉を吐き出そうものなら、それはすべて素敵な褒め言葉に変わるのだ!
それに、それにだ。
僕たちにも反対のコトを彼は言うんだよ?決して聞きたくはないけど、間違いなく愛の告白じみた言葉になるはずだ。
それを魔法で保存しといたりなんかしてさ、薬の効果が切れたら彼に聞かせてやるんだ。もちろん吠えメールばりにデカイ音量でね。
耐え難き屈辱だろうね。
きっと怒りとか恥ずかしさとか、混じりに混ざって顔なんかドス黒くなってワケの解らない言葉を発すると思うんだ!
楽しみで仕方ないよ!
さあ!スネイプを探しに行くぞ!