続・菓子本

□ホグワーツの怪談
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「は?肝試し?」

シリウスが振り返った。

教壇ではビンズ先生が流れるように年表を読み上げている。
生徒たちは退屈そうに呆けたり、眠りこけたり、ゲームをしたり、ほぼ自習のような状態になっていた。

シリウスは親指を立て、背後で教鞭をとるビンズ先生を指差した。

「ゴーストなんて見慣れてるぜ」

「VSスリザリン」

ジェームズが羊皮紙を広げながら言った。
スリザリンと言う言葉を聞いて、シリウスの表情が変わった。

「果たし状だね」

リーマスが羊皮紙を覗き込んで言った。
ピーターもシリウスの隣で振り向き、恐る恐る羊皮紙を見つめている。

「誰からだ??」

シリウスが声を低くした。

「マルシベール、エイブリー、セブルス…たぶんエイブリーとセブルスは付き合いだ。中心はマルシベールだろうな…」

ジェームズは口元に笑みを浮かべて文字をなぞった。

「セブルスが参加するならやりがいがあるよ。何しろ僕の恋人とバトルだなんて!」

「バトル?」

ピーターがジェームズを見上げた。

「そう…ルールは簡単だ。僕たち四人とスリザリン三人が各階でバトルをする。バトルといっても決闘じゃなくて、あくまで肝試し。相手に悲鳴を上げさせれば勝ち。勝った者が最上階へ行き、使われていないA通路に置かれた松明を手にする」

「人数が合わないぜ…痛ッ!!!」

シリウスの後頭部にクソ爆弾が直撃した。
ピーブズが笑っている。

「てめえ!!」

シリウスは立ち上がり、ピーターのインク瓶を投げつけた。
ピーブズはそれを器用に避け、舌を出した。

「でも…誰と誰がバトルするんだろう…?」

ピーブズと戦い始めたシリウスを無視し、三人は額を寄せ合った。
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