続・菓子本

□Dear…
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ベージュ色のカーテンが床に着きそうなほど伸びている。
カーテンの向こうにはもう一つ部屋があって、君がいる。
君が微笑みながら椅子に座っている。



朝が来て、目が覚めたとき、もう一つの夢が始まったことを知った。


モリーが朝食を作っている。
温かなスープの匂いと、香ばしい匂い。
私たちの朝のために朝食を作っている。

私はベッドに腰掛け、しばらく壁を見つめた。


「ご飯よ」

モリーの声がする。彼女の少し開いた襟に紅い花びらがいくつも付いている。

私は直視できなかった。


君に付けたかった花びらが。
君に付けたかった場所には重ねられなかった。


「鏡を見て驚いたわ」

モリーは恥ずかしそうに襟を閉めた。

私は謝った。

「あなた、私を抱いているときも謝っていたわ」

モリーは頬を染め、肩をすくめた。

私は、止まらなかったんだ、肌を傷つけたことを謝っていたと言った。


ベージュ色のカーテンが開いている。
向こうには家庭菜園が広がっていた。



愛している。
君だけを愛しているよ。




end

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