菓子本

□始まりは唇から
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ねえ、セブルス、僕たちはどこで間違えたんだろう?





始まりは唇から





「やあ、スニベルス!今日も本が友達かい?」

ジェームズはスネイプの杖を飛ばした後、本を弾きその本を呼び寄せた。

「へ〜え、呪文の構築と闇の魔術の関連性について?スニベルス、君自身が闇の魔術そのものじゃないか!」

せせら笑うと杖を一振りし、スネイプの頭上から真っ黒なインクをかけた。
シリウスが大笑いする。

「傑作だ!!」

「ほら、踊ってよ」

ジェームズは尚もスネイプの足に杖を向け、ステップを踏ませた。

リーマスはその様子を冷ややかに観察していた。

ー…おかしい。ジェームズの構い方は異常だ。前は冷やかし程度だったのに…。

リーマスは知っていた。ジェームズが毎晩のように寮を抜け出しているのを。おそらくスリザリン寮へ行っているのではないだろうか…。


「いい加減にしろ」

スネイプが息を切らしながら何とか杖を拾い、呪文を終わらせると、本を拾い目も合わせずに歩き去った。
その表情はどこか疲れていた。





「愛してます…」

いつもの囁き。優しく、懇願するような切ない声。
スネイプは声のする方をじっと見つめていた。

「一体お前は誰なんだ?」

うんざりしたように溜息をつく。

「なぜポッターの姿をしているんだ?」

何もない場所からジェームズの姿が現れた。ゆっくり近づくと、ジェームズはスネイプの手を取り、口付けた。

「なぜポッターに化けているのかは知らないが…」

言い終わらないうちに唇がふさがれた。

「…ッ…」

濃厚なキス。息が続く限り舌で執拗に絡め取られる。スネイプも徐々に力が抜けてゆき、たどたどしく舌で応える。
めまいの内に押し倒され、ナイトシャツに滑り込まれる温かい手に身体が跳ねる。
スネイプは飲み込まれるような熱と高められてゆく欲望の中で、ジェームズの背中に腕を回した。
昼間の、あのジェームズもこれくらい自分を求め、見つめてくれたら…。思わず考えてしまった自分にスネイプは苦笑した。
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