菓子本

□氷砂糖
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ジェームズとシリウスは木々の間を器用に飛んだ。
そして、木が何本も倒れている場所を見つけた。

シリウスが感心して口笛を吹く。

「お前の恋人ってすげえな…」

「違うよ…」

ジェームズが倒された木を調べながら言った。

「たしかにセブは魔法力はあるけど…でも…これは血だ」

ジェームズは血痕を見つめたまま言った。

シリウスにも緊張が走った。

その時、バキバキバキという木々が倒れる音が聞こえた。

ジェームズとシリウスは杖を出して走った。



「セブルス!!!」

巨大な蜘蛛に追い詰められているセブルスがいた。

息を切らし、杖を掲げている。
片腕には小さな犬を抱えていた。ぐったりしている。

「来るなポッター!!」

セブルスが叫んだ。
あきらかに嫌悪に満ちた声だった。

ジェームズは蜘蛛の目に攻撃を放ち、悶えている隙にセブルスのそばに駆け寄った。

「僕に触るな!」

セブルスはジェームズを突き放すと蜘蛛に向かって呪文を放った。

蜘蛛の前足が振り下ろされ、かわしたセブルスはその場に倒れた。ジェームズがその前にしゃがんだ。
セブルスは起き上がりながら、尚も蜘蛛に攻撃をしようとしていた。

ジェームズがセブルスの前に立った。

「どけポッター!!」

セブルスが怒鳴った。

「どかない」

ジェームズが言った。

「君に嫌われるくらいなら死んでもいい」

ジェームズは杖を蜘蛛に向けた。

「ジェームズ!!」

シリウスが箒に乗りながら蜘蛛の頭に大きな石を落として、ジェームズに箒を投げた。

「痴話喧嘩は生き残ってからやってくれ!!」

ジェームズは箒を掴むと飛び乗った。

「乗るんだセブルス!」

ジェームズが有無を言わせずセブルスの腕を引いた。

凄まじい迫力に押され、セブルスは犬を片腕に抱え、ジェームズの後ろに座った。

振り下ろされる爪をかわし、3人は高く飛び上がった。
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