気ままに徒然と

□無題
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10代最後の歳。
ちっちゃくてやわらかい丸いものは、お父さんが仕事場所から見つけて来た。
お父さんの胸ポケットにまあるくなってた。
お母さんは「家には、大きな猫が3匹いるから、いらないと言ったのに…お父さん、連れて来ちゃった。」と泥がうっすらとついた顔で話す。
でも、笑ってる。
家は田畑農家。でも、それだけじゃあ、ご飯食べれない。お父さんとお母さんは同じ土木会社に働いてた。
私の顔を見たお父さんは胸ポケットから小さい丸い猫を私に渡した。
お母さんの言う、大きな猫…お父さんとお母さんの子供。つまり、私たち兄弟。
私はお父さんをそのまんま女の子にしたような姿形。末っ子でお父さんのコピーちゃん。
要領がいいんだか悪いんだか…
その頃、私の兄弟は本州と札幌で働いてた。
だから、必然と私は一人っ子みたいな感じ。
子猫はとても元気な男の子。
人見知りすることなく、元気に家の中を散策したり、私やお父さんなどに絡み付いて来た。
あまり、動物が好きじゃない私には、苦笑いするしかなかった。
私の家族は、動物が好きだと思う。
でも、ペットと言うより、家畜として見ていたかも知れない。お父さんたちや、私たち兄弟はペットと言うよりおもちゃのような存在から家族の一員になっていた
余談だか、親類に動物好きなおじさんが飽きるとわが家に飽きた動物を連れて来ていた。
なかなか、珍しい種類の動物もいた気がする。
文句の一つも言わず、わが家は動物達を引き取り、可愛がってた。
まったく、お人よしな家族で…
私はそんな家族が大好き。
私には、反抗期らしい反抗期はなかった気がする…たぶん。こんな家族で反抗しても相手にされてなかったと思う。
食べる事がいっぱいいっぱいな家庭。でも誰かしら、私たちの話しは聞いてくれてた。
小さい子猫は名前がついてない。
名前を付けるのは難しい…
私は、なかなか、子猫に名前を付けられず、大人達に聞きまくった。
おばあちゃんが「たま」でいいんじゃない?の声でたまに決まった。
子猫「たま」の元気良さには、大人達は呆れてた。
誰かまわず、飛び掛かり、爪を立てる。
おばあちゃんはたまの元気についていかれず、たまを捨てるとまで言った。
たしかに、たまは誰かまわず、飛び掛かり爪を立てる。
それでも、私には、かわいくてしかたがなかった。
ちっちゃくて元気があって、家の中をめちゃめちゃにしちゃうが怒る気にならない。
むしろ、淋しい思いをさせてごめんね。と思ったほど。

ある日の夜、おばあちゃんがトイレに行こうとしたとき、風呂場

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