+TREASURE+

□君を好きだと言ってみる
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うららかな日差しが暖かい、午後。

デーデマン家の料理人・デイビッドは溜息を吐いた。

「参ったなぁ…」

先程からその言葉の繰り返しである。
主のおやつを作り、夕食の仕込みをしている手は、休みなく働いているというのに。

「参った…どうしようかなぁ…」

キッパリはっきりスッキリと物を考える彼にしては、いささか悩み過ぎるきらいがあった。

ので。

『悩みでもあんのか』

ヘイヂはつい声を掛けてしまった。

「おーお前かぁ。つまみ食いはするなよー」

デイビッドは手早く紅茶とケーキを用意する。
ヘイヂはずずずと紅茶を啜った。

『いつも悪いな』

「今日は中にイチゴクリームを入れてみた」

彼女は説明も聞かず、一口でケーキを食べた。
クリームを頬につけたまま、何食わぬ顔でデイビッドを見上げる。

『で、どんな悩みだ』

「…悩みっていうか、な…」

ヘイヂの向かいに座り、デイビッドは溜息を吐く。
躊躇っているのか戸惑っているのか。
彼は自分でもわからぬまま、それを話した。


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