+TREASURE+
□君を好きだと言ってみる
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恋する男は
「好きだ」
当たって砕ける?
[ I try to say , " I love you ." ]
「うーん…何か違うなぁ…」
「あの…デイビッドさん?」
今し方、目の前の男に愛(かどうかは激しく疑問)の告白を受け、Bは戸惑った。
デーデマン家の料理人・デイビッドは、どこか明後日の方を睨んでブツブツと呟いている。
告白した後の空気、とは程遠い。
第一本気なのか、違うのか。
「デイビッドさん、もしかして寝ぼけてるとか酔っ払ってるとかそんな類いですか?ってか本気ですか?」
「断じて違う。そして…」
そこで彼はまたうんうんと唸り始めた。
これでは埒があかない。
「本気なら身の振り方を考えなくちゃならないんですが」
もちろん冗談だが、デイビッドは深刻に切り返した。
但し切れ味が悪い。
「…本気と言えば、本気なんだが…」
悩んだ末、ついにデイビッドは吹っ切れたようだった。
「まぁ、話しても短いから話してしまおう」
こんな時は大抵、短くは終わらない。
「実はこんな事があったんだ」
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