second+novel
□liberty
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プツンと何かが切れた音がした。
それは、
境界線か
自分の理性の糸か
それとも
固定観念と言う名の柵か
それは一つのきっかけだった。
liberty
「Bがおかしい?」
「そうなんです」
セバスチャンの言葉に大きく頷くA。
「どうおかしいんだ?」
「いつも、朝のコーヒーを飲みながら溜息を吐くのに、今日はしなかったんです!」
「それだけか?」
セバスチャンのあっさりとした返答に、Aは握り拳を作り、力強く言う。
「セバスチャン!!Bの朝の溜息の原因はユーゼフさんなんですよ!?」
Aよ、何故溜め息の理由まで知っているのだ?
「僕、Bの観察日記をつけてますから!!」
「……ストーカー」
セバスチャンの冷たい視線がAを襲う。
「何かあったんでしょうか?」
「俺には分からんが……、ユーゼフ様なら知っているかもな」
セバスチャンは少し考え、そう呟いた。
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