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#2
雪「日吉は練習熱心だねぇ〜かっこE〜!」
俺がサーブの練習をしていると、フェンス越しに声をかけられた。
また、雪先輩だ。
日吉「…そう思うなら邪魔しないでくださいよ。」
雪「ノンノン!邪魔してないよぉ!」
そういうと先輩はガチャンと戸を開け、コートに入ってきた。
雪「ほら、頑張り屋な日吉にドリンクの差し入れ!」
ドリンクを差し伸べ、にへらぁと笑う先輩は、とても年上とは思えない位にアホ面だ。
全く、どうしてこの人はこんなに俺に付きまとってくるのか。
日吉「…何してるんですか、もう部活は終わってますよ。」
雪「流石にそれくらいわかってるよ!ほらほら、タオルも!」
日吉「はぁ…ありがとうございます。」
雪「ふふっ、今だけ日吉の専属マネージャーだね!」
日吉「…何故、貴方は執拗に構ってくるんですか。」
そういうと一瞬先輩は、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしたけれど、直ぐに何時ものだらしない笑顔に戻った。
雪「何故って…日吉と仲良くなりたいから?」
相変わらずヘラヘラとした笑みでこちらを見つめてくる先輩。
…変わった人だ。
雪「ほら、そんなこといいからドリンクとタオル!」
日吉「はぁ…どうも。」
雪「それでよし〜!」
日吉「先輩は変わり者ですね。」
雪「えっ?」
日吉「俺に構うのは貴方くらいですよ。」
雪「えへへ!嬉しいな!それって私が一番の日吉の理解者って事じゃない?」
この人は、一体何処からそんな自信が…
日吉「はぁ…アホですか貴方は。」
雪「何をっ?!」
日吉「ほら、練習再開しますから、先輩はとっとと帰って下さい。」
雪「ぶー、帰んないもーん!日吉が終わるの待ってる!」
日吉「はぁ…もう好きにして下さい。」
雪「やったー!」
本当に変な人だ。
でも、あながち間違いでも無いのかもしれない。
#2 俺に構うのは貴方くらいです
ーー物好きな人だ…。