SHORT

□TITLE
3ページ/6ページ



#2


雪「日吉は練習熱心だねぇ〜かっこE〜!」


俺がサーブの練習をしていると、フェンス越しに声をかけられた。

また、雪先輩だ。


日吉「…そう思うなら邪魔しないでくださいよ。」

雪「ノンノン!邪魔してないよぉ!」


そういうと先輩はガチャンと戸を開け、コートに入ってきた。


雪「ほら、頑張り屋な日吉にドリンクの差し入れ!」


ドリンクを差し伸べ、にへらぁと笑う先輩は、とても年上とは思えない位にアホ面だ。

全く、どうしてこの人はこんなに俺に付きまとってくるのか。


日吉「…何してるんですか、もう部活は終わってますよ。」

雪「流石にそれくらいわかってるよ!ほらほら、タオルも!」

日吉「はぁ…ありがとうございます。」

雪「ふふっ、今だけ日吉の専属マネージャーだね!」

日吉「…何故、貴方は執拗に構ってくるんですか。」


そういうと一瞬先輩は、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしたけれど、直ぐに何時ものだらしない笑顔に戻った。


雪「何故って…日吉と仲良くなりたいから?」


相変わらずヘラヘラとした笑みでこちらを見つめてくる先輩。

…変わった人だ。


雪「ほら、そんなこといいからドリンクとタオル!」

日吉「はぁ…どうも。」

雪「それでよし〜!」

日吉「先輩は変わり者ですね。」

雪「えっ?」

日吉「俺に構うのは貴方くらいですよ。」

雪「えへへ!嬉しいな!それって私が一番の日吉の理解者って事じゃない?」


この人は、一体何処からそんな自信が…


日吉「はぁ…アホですか貴方は。」

雪「何をっ?!」

日吉「ほら、練習再開しますから、先輩はとっとと帰って下さい。」

雪「ぶー、帰んないもーん!日吉が終わるの待ってる!」

日吉「はぁ…もう好きにして下さい。」

雪「やったー!」


本当に変な人だ。

でも、あながち間違いでも無いのかもしれない。




#2 俺に構うのは貴方くらいです
ーー物好きな人だ…。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ