SHORT

□天使にふれたよ
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「雪…ちゃん…?」



私は、不意にかけられた声に驚いて、目を明けた。




雪「ちょ…長太郎くん。」



私は慌てて、手をはなす。




雪「お、おはよう…。」


長太郎「あ、うん。おはよう。」


雪「そ、その…ゴメン。」




私達の間に気まずい空気が流れる。




長太郎「…クスッ、ねぇ雪ちゃん。」


雪「な、何…?」


長太郎「笑わないで聞いてくれるかな?」


雪「う、うん。」


長太郎「俺、目を覚ましたとき、一瞬、目の前に天使がいると思ったんだ。」


雪「ふぇ?!」



私が変な声を出したもんだから、長太郎くんはくすくすと笑い始めた。




長太郎「雪ちゃん。」


長太郎くんに腕をひかれて、長太郎くんに倒れこむ形でギュッと抱きしめられた。



雪(ちょ、長太郎くんが近い…っ)




長太郎「…好き。」


長太郎くんは、囁くように、そう言った。




雪「う、うそ…」


長太郎「嘘じゃないよ。好きだから…今、こうして抱きしめてるんだ。」


雪「長太郎くん…。」


長太郎「返事…聞かせてくれる?」



雪「…私も、長太郎くんのことが好きだよ。」



私は満面の笑みで、そう答えた。





そうしたら、長太郎くんがもっとギュッと抱きしめてきて。



“すっごく嬉しい。”

そう言ってくれた。




私もすっごく嬉しくて、長太郎くんをギュッと抱きしめ返した。









(私より、長太郎くんが天使みたい…)
(だって、ふれただけで、こんなに幸せなんだもん。)


END
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