SHORT

□本音を殺して
2ページ/3ページ



雪「リョーマくん、早いね。」


リョーマ「雪先輩こそ。」



いつもより早く放課後当番に来た俺に、声をかける雪先輩。



雪「はーぁ。リョーマくんと同じクラスだったらなー。」


リョーマ「え…?」


雪「わざわざ、こうやって、早く当番に来なくたって、いっぱい話せるじゃない?」


リョーマ「先輩、それって…。」



もしかして、今、一番聞きたくない言葉を聞かなくちゃいけない?



雪「んー、まぁ、そういうことよ。」



雪先輩は、少し赤くなって微笑む。


本当なら、今すぐに抱きしめたい。


雪先輩に好かれていると自惚れていたい。




けれど、素直にいかないのは、きっと…




リョーマ(あぁ、俺が裏切り者にならなきゃいけないからなんだ。)





だからもう、これ以上の言葉は聞きたくなかったのに。



雪「ねぇ、リョーマくん。私、リョーマくんのこと好きなんだ。」



先輩の言葉は、今の俺には残酷すぎた。




リョーマ(俺は、雪先輩か桃先輩か、どっちかを裏切らなきゃいけないのか…。)






大切な先輩、大好きな人。


俺は、どっちを裏切るべきなんだろう――…




『本音を殺して』






リョーマ(俺は――…。)











END
NEXT→あとがき
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ