SHORT
□ヘタレに恋して
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side謙也
俺と侑士と雪は幼馴染。
侑士と俺は、昔から色んなことで競ってた。
…そん中でも、一番負けたくない勝負があった。
“どっちが雪を振り向かせられるか。”
俺は正直勝てる気がせぇへんかった。
侑士の方が、女心とやらを理解できるし、雪に対して優しく接してた。
対する俺は対象的で。
いつも張り合って、馬鹿やって。
ホンマにこれが好きな女に対する態度か?って感じで。
最近は一段と大人っぽくなった雪に、上手く気持ちすら伝えられへんで。
しかも、白石まで雪にちょっかいかけるようになってもうて…
あー、もうホンマに雪を誰かに取られそうや。
でも、誰にも渡したくないんや。
白石「なぁ、謙也。」
謙也「何や?」
放課後、部活に向ってる途中、白石に話しかけられた。
白石「雪チャンに、告白しようと思ってな。」
謙也「はぁ?!」
白石「宣戦布告っちゅーやつ。謙也も雪チャンのこと好きなんやろ?」
謙也「な、た、たしかに好きやけど…。」
白石に雪をとられる?
考えただけでむしゃくしゃするわ!
謙也「お、俺が告ってくるわアホ!」
白石「あ、おい謙也!…アイツのほうがアホやろ。」
俺は雪のいるであろう教室に向った。