Sweets!!
□白雪姫と青りんご
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優梨(あ、ブン太先輩。)
屋上でブン太先輩を見つけた。
同じ時間にサボりって、すごい偶然。
先輩が来るまでサボろうと思ってたから、これはラッキーだねっ!
優梨「ブン太せんぱーいっ!!」
ブン太「…優梨か。」
優梨「先輩もサボりですか?」
ブン太「まぁな。」
先輩は弱く微笑んだ。
優梨「先輩、これどうぞ。」
私はさっき食べた、青りんごのあめちゃんと同じものを先輩に渡した。
優梨「ガムじゃないですけど、青りんごですよ!
これで元気だしてください♪」
ブン太「サンキュ。」
優梨「先輩、最近ガム噛んでないですよね。
糖分不足になっちゃいますよ?」
ブン太「あー…
オマエ、なんでそんなよく気がつくんだよぃ。」
ブン太先輩は苦笑いして、私の頭を撫でた。
その手はやけにあったかくて、妙に落ち着いた。
ブン太「心配かけてんなら、ごめん。
でも、優梨も十分心配かけてること、忘れんなよ。」
優梨「え…?」
ブン太「本当はよ、オマエ笑ってられる状況じゃないんじゃねーの?」
ブン太先輩は、真剣な瞳で、かつ、悲しそうな瞳をしていた。
私がブン太先輩を、こんな顔にさせてると思うと、胸が苦しくなった。
優梨「ブン太先輩……。」
そう、私が呟くと、私の身体は急にブン太先輩に引き寄せられた。
体中に、先輩の体温を感じて、顔が熱くなる。
優梨「せ、先輩っ?!」
ブン太「ゴメン、少しの間、こうさせてくれねぇか…?」
私はそういわれると、先輩の胸に少し寄りかかった。
青りんごの香りがほんのりした。
その香りのせいなのか、先輩の胸の中は、妙に落ち着いた。