ハツコイ。

□Act.3 再び ―ONCE MORE―
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日吉「…それ、自分で作ってるのか?」



日吉くんは私のお弁当を見ながら、そう問いかけた。



穂香「うん、一応。」


日吉「…美味そうだな。」


穂香「えっ?!」


日吉「そんなに驚くことないだろ。

美味そうに見えたんだよ、その玉子焼きが。」



お弁当をそんな風に褒められるのは初めてで。

そりゃ、最近友達と食べる事なんてなかったから当然かもしれないけど。



穂香「あ、ありがと。食べる?」


日吉「いいのか?」


穂香「うん、あんまり自信はないけどね。」


日吉「それじゃ、貰うぞ。」



日吉くんは1つ、お弁当箱から玉子焼きを拐い、口へ運んだ。



おいしい…かな?

私好みの、甘い玉子焼きなんだけど…。



日吉「…美味いな。」


穂香「あ、よかった。」


日吉「…そういえばオマエもレギュラーなんだってな。」


穂香「え?あ、まぁ…一応。」


日吉「イジメの原因は、それだろ?」


穂香「…う、うん。」



日吉くんは私の頭をポンっと撫でる。



穂香「ひ、日吉くん…」


それが少し恥ずかしくて、私は少し俯く。


日吉「もっと、自信を持て。」


穂香「え…?」


日吉「周り以上に練習して、それで実力で勝ち取ったレギュラーなんだろ?」


穂香「周りと比べられたらわかんないけど、自分なりに、練習いっぱいしてきた。」


日吉「だったら、周りになんと言われようと、自信持っておけ。」


穂香「…うん。ありがとう、日吉くん。」



ホントに、日吉くんの一言、一言が、私に希望と力をくれてるみたい。


日吉くんと一緒に過ごす時間は、本当に心地の良いものだと、再認識させられた。









 
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