SHORT

□聖なる夜に…
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もうすぐ恋人達のクリスマス。


私にも彼氏がいて、やっぱり一緒に過ごしたいって思うんだけど…

なにせ、私の彼氏は超多忙なのです。



なぜなら、私の彼氏は

…跡部景吾だから。







半年前のこと。


跡部「笹原。」


雪「ん?何、跡部くん。」


跡部「…だ。」


雪「え?」


跡部「…好きだ。」


雪「あ、跡部くん…。」


跡部「笹原、俺様と付き合え。」



耳まで真っ赤にさせながら告白してくれた景吾。

今でも、あのときのことはしっかりと覚えている。


…初めは信じられなかった。

自分はずっと、叶うことのない恋をしていると思っていたから、告白されたときは夢かと思った。


それに、あの景吾が顔を…

耳まで真っ赤にさせてるんだもん。

でも、すっごく嬉しかった。




それから私たちは付き合い始めて、そしてもうすぐ、付き合って初めてのクリスマスを迎えようとしている。


やっぱり一緒に過ごしたいと思うけど、景吾はお父さんの仕事関係でパーティーとかあるだろうしな…

聞いてみるだけ聞いてみようかな…


あ、クリスマスの前後なら大丈夫かな…?



雪「ねぇ景吾。」


私は生徒会長室のイスに座る景吾くんに声をかけた。


跡部「なんだ、雪。」


雪「あのさ、今月の23日とか予定…空いてるかな?」


跡部「ちょっと待ってろ。」


そういうと景吾は制服のポケットからスケジュール帳を出し、しおりの挟まっている12月の予定のところを開く。


跡部「23日は…パーティーだ。」


雪「そ、それじゃ24日は?」


跡部「24日は会食だ。」


雪「それじゃ、26日は…?」


跡部「その日もパーティーの予定が入ってる。」


はぁ…

クリスマスの前後も予定いっぱいか…

今年も寂しく一人でクリスマス過ごすのかな…



跡部「…なんで雪は、肝心な日を聞かないんだ、あーん?」


景吾くんは少し微笑みながら、私の座ってるソファーの隣に来て、腰を下ろす。

そして私にスケジュール帳を見せる。


跡部「25日…ちゃんと空けてあるぜ?」


雪「け、景吾…」


景吾は優しく微笑み、そして私の頭をそっと撫でた。


跡部「25日、二人でクリスマス祝うだろ?」


雪「…うんっ!」



景吾が私のために25日…

クリスマスの日の予定を空けといてくれたと思うと、すっごく嬉しくて…

嬉しすぎてちょっぴり泣きそうになった。











 
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