SHORT
□天使にふれたよ
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お昼休み。
私が、中庭を通ると、木にもたれて座る長太郎くんの後ろ姿が見えた。
『天使にふれたよ』
雪「長太郎く…」
私は声をかけようとしたが、長太郎くんが、寝ていることに気付いて、それをやめた。
雪(こんなところでうたたね…
長太郎くん、練習で疲れてるのかな?)
私はそっと長太郎くんに近づき、隣にそっと腰をおろす。
雪(睫毛、長いんだ…。髪の毛も綺麗…。)
私は膝立ちして、長太郎くんの綺麗な銀色な髪の毛に手を伸ばす。
一度、触れることに戸惑ったが、もう一度手を伸ばし、そっと触れる。
雪(柔らかくて綺麗な髪だなー…)
そう思いながら髪を優しく撫でる。
雪(本当に綺麗な顔立ちだなー…。肌とか女の私より綺麗じゃない?)
そして、長太郎くんの頬に、そっと手を伸ばして触れた。
その瞬間、強めの風が吹いた。
私達の髪を、制服を、ふわっとなびかせた。
そして、私は反射的に目を細めた。