Sweets!!
□青りんごの王子様
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優梨(先輩っ!ブン太先輩…っ!)
私は息を切らしながら、階段を駆け上がっていた。
先輩のことだけひたすら考えて。
もうすぐ部活が始まるだとか、そんなこと考えてる余裕がなかった。
ただ、ただ。
必死に階段を駆け上がった。
ブン太side
ブン太「おい!早川!」
俺は屋上の扉を開け、そう叫んだ。
あいつを…
優梨を階段から突き落とした犯人の名を。
早川「あ!丸井くんじゃない!どうかしたの?」
こいつは、この場に及んでも色目使ってきやがって…
ブン太「オマエだろ。優梨イジメてんの。」
早川「優梨ちゃんを…?そんなことないわよ?
優梨ちゃん、凄くいい子じゃない!」
ブン太「ふざけんじゃねーよっ!!!!」
俺ってこんなに大声出せる奴だったっけ。
俺ってこんなに人のために、必死になれる奴だったっけ…。
ブン太「いろいろ噂とか聞いてんだよ。それにな、俺だってオマエの本性知ってんだよ。」
優梨「ブン太先輩…っ!!」
勢い良くドアが開くと優梨が俺の名前を呼びながら、屋上にやってきた。
優梨「さゆり…先輩…?」
優梨は早川の顔を見ると、たちまち表情を変えた。
早川「あら、久しぶりね、優梨ちゃん。」
優梨「……っ」
早川に話しかけられると、優梨は泣きそうなくらい、悲しい顔をした。