ハツコイ。

□Act.2 意識 ―CONSCIOUS―
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あの日から…

貴方と出会ったあの日から…

私の心は少しずつ、光を取り戻しているの。


そして、自分でも気付かないうちに、

貴方を、強く意識していたの――…


Act. 





あの日から2日後の部活中――…


穂香「部長っ!」


部長「何?藤咲さん。」


穂香「外に走りこみに行って来てもいいですか?」


部長「いいよ、いってらっしゃい。」


今日の前半メニューは自主練。
私は外に走りこみに行くことにした。




私が外を走っていると、テニスボールを打ち返す、心地良い音が聞こえた。


普段は特にランニングコースなんて気にしないで、黙々と走ってるから気がつかなかったけど、いつもテニスコートの前を走っていたようだ。



そういえば日吉くん…

テニス部って言ってたっけ。

コートにいるかな?


そういえば。
噂によると、此処のコート使えるの、普段はレギュラーと準レギュラーだけ。
周りの女子が騒いでいて小耳に挟んだ情報が役に立つ時が来るなんて。

さすがに日吉くんも1年生だし、いないかな…?


私はコートを見ながらその周りをぐるりと一周走ってみることにした。





穂香「あ、あれ…もしかしなくても…」


私がしばらく走っていると、一番奥のコートで、誰かと打ち合ってる日吉くんを見つけた。

もしかして…レギュラーなのかな?


周りで球拾いしてる人達とジャージも違うし…。



日吉くん、テニス上手いんだ…。

なんたって部員は200人以上。
これも小耳に挟んだ情報だ。

…こんなに騒がれるなんてうちのテニス部はアイドルか何かなのかしら。



…日吉くんと、また話したいな。


明日は屋上、行ってみようかな。



遠目から見た彼の姿に、先日の出来事を懐かしんだ。

あんなに学校で心が安らぐ時間は数少なくて。

また、彼と話が出来たらきっと楽しいだろうと、そう思った。





あ、こんなにゆっくり走ってると部長に怒られるや。


手元の時計を見て、後半の練習開始時刻まで然程時間がない事に気が付いた。



また、黙々と走り始めた。







 
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