ハツコイ。
□Act.5 復讐 ―REVENGE―
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まさか、こんな事になるなんて。
思ってもみなかった…。
Act.5 復讐 ―REVENGE―
あれから数日。
私のイジメはかなり減っていた。
暴力等の身体的なダメージが減り、少しずつ、身体の傷は癒えてきているような気がした。
そして今日も。
私は屋上へ向かっていた。
穂香「日吉くん、こんにちは!」
日吉「フン…なんだそれは。」
穂香「ふふ、ちょっと気分いいから調子乗ってみたの。」
日吉「元気なのは何よりだが、調子に乗りすぎるなよ?」
穂香「はーい。とにかく、お弁当食べよ?」
日吉「はいはい。」
少し呆れながらも微笑みかけてくれる日吉くん。
私も日吉くんの前では自然と笑顔になれる。
少し前では考えられなかった事なのにそれが当たり前になってきて、とても幸せだと感じられた。
日吉「そういえば…あれからどうだ?」
私が玉子焼きを頬張っていると、いつも通りのような、でも少しだけ悲しい目をした日吉くんが、そう問いかけてきた。
穂香「ん…まだ完全にはなくなってないけど、殴られたりとか、身体的なダメージを負う事はなくなったし、大丈夫だよ。」
日吉「そうか…すまないな、あの時中途半端に首つっこんで。」
その言葉を聞いて私は思わず頭にはてなマークを浮かべる。
穂香「え?だって、日吉くんは助けてくれたじゃん?」
日吉「部外者が出る幕ではなかったような気がしたんだが…。
そして俺も一応テニス部だ。それを理由にイジメが悪化したら元も子もないと思ってな。」
穂香「ううん、そんなことないよ。
私は日吉くんに助けてもらえて嬉しかった。
私が弱いせいだけど殴られそうになった時動けなかったし…凄く救われたよ?」
日吉「…ならよかったが。
…何かあったら言えよ?」
穂香「うん、ありがとう!」
日吉くんの優しさが身に沁みる。
日吉くんには本当に感謝しかないや。