ハツコイ。

□Act.4 微笑み ―SMILE―
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私は、貴方から、たくさんの元気を貰っていたの。


少しずつ、笑顔を取り戻していたの――…。





Act. 








穂香「日吉くん!」


日吉「藤咲。」



私は、あれから約半月、毎日屋上にきていた。




穂香「今日も一緒にお弁当食べてもいいかな?」


日吉「あぁ。」



日吉くんは少しだけ微笑み、読みかけの本を閉じた。



最初、出会った頃より、日吉くんと打ち解けたかな、なんて最近ちょっと思ったりもする。


会話も弾むし、日吉くんのこともいろいろ教えてくれた。



私はそれが凄く嬉しかった。


此処の所、友達と呼べる存在は見当たらず、仲の良かった部活の友達とすら距離を感じる。

…それは、もしかしたら私が友人を遠ざけているのかもしれないけれど。

仲良くすることでターゲットにされてはひとたまりもないし、そもそも今は私の事をどう思っているのか分からない。


だから、日吉くんの存在は心の支えだった。

こんな風に一緒にご飯を食べて笑い合える相手は今は彼だけだ。





日吉「…なぁ、藤咲。」


穂香「何?」


日吉「最近、元気になってきたな。」


穂香「そ、そう…なのかな?」


日吉「あぁ。藤咲、よく笑うようになったしな。」


穂香「そうかな…。」



すると、頭をポンポンと撫でられた。

手が触れた瞬間、胸の奥の方が暖かくなり、同時に高鳴る。


それは何処か心地よくて。


もっとこうしていたいと、思わせる程だった。




日吉「藤咲は…笑顔の方がいい。」


穂香「あ、ありがとう。

で、でもね…」


日吉「何だ?」


穂香「もし、私が元気に、笑顔になれてるなら…

それは、日吉くんのおかげだよ。

日吉くんがいなかったら、私、絶対笑えてない。


日吉くんが、私を避けたりしないで、一緒にいてくれるから…

日吉くんが、私を受け入れてくれたから、

だから、私、笑えてるんだと思う。


だから…その、さ。

ありがとう…ね?」




日吉くんには、感謝してもしきれないくらい。

ありがとうの気持ちで心がいっぱいになるくらいに、日吉くんから、元気をもらった。



私に、笑顔をくれてるのは、いつも、いつも。

日吉くんの存在だった。











 
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