*白雪姫

□第10話
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第十話


よし、洗濯終わり!


あとは掃除だけ!


「なぁ、白雪」


私が掃除用具を取り出してると、後ろから宍戸くんが声をかけてきた。


今日は宍戸くんとお留守番。


といっても、私は出かける予定だけど。


そのために早く家事を済ませてしまおうとテキパキ手を動かす。


「あ、宍戸くん、ちょうどよかった。これで床磨いてくれない?」


私は水をつけたモップを宍戸くんに手渡した。


「お、おう…」


宍戸くんの返事ににっこりと頷いて、私はお風呂掃除へと向かう。








数分後


「あのさ、白雪」


私がお風呂掃除を終わらせ、トイレ掃除に取りかかってると、宍戸くんが声をかけてきた。


「あ、終わった?」


「あぁ、終わったぜ…それより」


「じゃあ、次は玄関掃いて欲しいんだけど…いいかな?」


すると、宍戸くんは一瞬考え込んでいたが


「…わかった。」


と頷いて、モップを片付けてから玄関に向かった。


そういえば、今、何か言いかけてたような…


ま、いいか。


後で聞いてみよう。


私はトイレ掃除を終わらせると、鏡を見てみだしなみを整えた。


うん、大丈夫…変じゃない。


服はしょうがないけど、着ていけるものがこれしかないから、これで行くしかないよね。


私は服の汚れをパンパンと取り払った。


大丈夫、大丈夫…


私は胸に手をあてて、落ち着こうと深呼吸する。


人と会うのにこんなに緊張するなんて…


こんな気持ち初めて。


なんか私、昨日から変。


私が鏡をじっと見てると、鏡越しに掃除が終わったらしい宍戸くんと目が合った。


私は振り返る。


「掃除手伝ってくれてありがとう!とても助かった!」


「べ、別に……」


「あのさ、私これから出かけたいんだけど…いいかな?」


私は「柳生くんに教えてもらった泉に。」と付け加える。


「あ、それは…その…。」


「?」


私は妙に口ごもる宍戸くんを見て首をかしげた。


そういえば、さっきから何か言おうとしてたよね。


「宍戸くん?」


すると宍戸くんは


「悪い!」


と謝ってきた。


「え、何が?」


なんで、宍戸くんが謝るの?


掃除中にガラス割ったとか?


そんなことだろうと思ってた私は、次の宍戸くんの言葉に固まった。


「悪いけど、今日はお前を外に出せねぇ。」


………え?







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