*Short
□意地悪Study
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「だめ!わかんない!ねぇ、侑士教えて?」
私は机の上に広げてある数学の問題集を見て、ため息をついた。
「どこやねん?」
すると、彼氏である侑士が眼鏡をくいっと上げて、私の問題集を見た。
「ここ。」
私は分からない箇所をシャープペンの先でつつく。
「……ここって、ほんとに基本中の基本やで!」
「わかんないものはわかんないんだからしょうがないでしょ…」
「ちゃんと授業聞いてるん?」
「聞いてるけど理解出来ないの!」
「来週のテスト危ないやんか!」
「……だからこうやって図書室で勉強してるんじゃない。」
そう。
今、ここは図書室で、一週間後にあるテストのために必死で勉強してる。
私は数学が壊滅的で赤点の可能性が十分ある……。
幸い、私の彼氏である侑士の得意科目は数学で、侑士の所属してるテニス部はテスト休みだというので、侑士に教えてもらってる。
「さすがにこれは自分で理解せな。ほら教科書。」
侑士はそう言って、私に数学の教科書を渡してきた。
こんなの見ても、わかんないんだってばー!
「………。」
私はとりあえず、反抗しないで教科書をパラパラとめくった。
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