並盛 Dream
□戦場を駆ける姫君
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「だめだよ!キミを戦場になんか連れていけない」
「あら、どうして?」
「……どうして、って」
戸惑う貴方。
ごめんなさいね綱吉。
私、本当は知っているのよ。
貴方が私を大切に思い護りたいから戦場に行かせずに、そう言ってくれている事を。
だけど、私は護られてばかりいるようなか弱い女の子じゃないの。
「ねぇ、綱吉。私の戦う力が、そんなに信用できない?」
「そんな事……っ!!」
「ないわよね?」
「当たり前だよっ!!」
私の言葉に憤慨し否定する綱吉。
ああ、なんて愛しいの。
「だったら問題ないじゃない」
ねぇ、綱吉。
「私は貴方と共に闘うわ」
ただ、お城で護られているばかりのお姫様なんてウンザリよ。
だって私は愛しい貴方を護りたいんだもの。
「連れてってくれるわよね?」
「……無茶だけはしないで」
「当たり前じゃない」
心配げな表情のままながらも私の意見を通して抱きしめてくる綱吉を出来るだけ安心させてあげたくて私は、これ以上ないと言う程の穏やかな微笑みを彼に向けた。
戦場を駆け抜ける姫君
(貴方を護れるならこの命など、惜しくはないわ)
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