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□さくらさくら
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はらはら
   はらはら
舞う桜を見て、不意に
ああ、春なんだな

と思った。


「…何してるんだ?嘉明」

「…んぁ……且、兄……?」

うららかな陽気にまどろんでいると、さら、と
そんな音の似合いそうな仕草で髪を撫でられ、ほんの少しだけ意識が浮上する。

目を何度か瞬かせて、その手の持ち主を見つめると、ちょっと困ったような、苦笑混じりの表情を浮かべた且元の姿。

身を起こそうとしても、眠気の余韻で少し重たい身体はなかなか言うことを聞いてくれなくて、早々に諦める。

「ん…何で且兄…こんな所にいんの…?」

視線だけを向けて問い掛けると、何故かため息を吐かれた。

「それは私の台詞だよ。どうして廊下に転がってるんだ…」

「…え…?」
 

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