replicant.

□Atonement.
1ページ/7ページ

おれの名は、ポートガス・D・エース。
しがない賞金稼ぎだ。
首に賞金が懸かってるらしいが…正直どうでも良い。
同業にも賞金首は多い。
特に能力者なら尚更だ。

いつものスタイルにマントを一枚。
流石に砂漠で素肌を曝す程馬鹿じゃない。

舞う砂の向こうに見え始める小さな村。
おれの故郷だ。

「おっ!」

遠くからでもおれを見付けたと、歓喜に沸き上がる声が聞こえる。

「みんな、帰って来たぞ!!遊んで貰え!!」

久しぶりの、家。
我が家と言っても過言じゃない。
孤児院の扉を潜れば、子供達がおれの手足に纏わり付く。
無邪気で無垢な笑顔を見せて。

「な、エース」


『兄ちゃんがいけないんだ…』


孤児院の院長、シャンクスがおれの肩を叩く。
今や隻腕となってしまったが、シャンクスはおれの親代わりであり、良き理解者。
手足に子供達をくっ付けたまま、シャンクスの後に続く。


「エース兄ちゃん!!」


『お兄ちゃんが…』


「おかえりなさい!!」


『制約を守らなかったから…』


その声を聞きつけてか、更に集まってくる。
今、この孤児院にいる人数は三十人以上。
また増えたのか、見覚えの無いのもいる。


「おー、ただいま
みんな元気にしてたか?」


それと対象的に、耳の奥で響く声はおれを咎める。



純心無垢な声が。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ