TRIGUN

□愛しているからこそ。
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「ッ…!?」

にゅるにゅるとした気持ちの悪い感覚が、下半身を駆け巡る。
ジェルは尿道の熱さで溶け、流れ込む。

「どう?」
「っ…気持ち、悪ぃ…わ…」

そう。
尿道にジェルが流れ込んでいるのだから。
だが、ジェルが普通のモノだったのなら、何もなかったのだろう。

「…チリチリするわ」
「量が足りないのかな…」

更に流れ込むジェルの量が増す。
チリチリと尿道を刺激し、やがて最奥まで流れ着く。
粘膜に、尿道に直で触れるジェル。
メンソールの様な、治りかけの火傷の様な、むず痒くもどかしい感覚がウルフウッドを襲う。

「…ゃ…痒い…」
「効いて来たかな?」

ぞわぞわと無尽蔵に駆け上がる、感覚。
ウルフウッドは、この感覚に覚えがある。
視界の端には、無邪気に笑うヴァッシュ。
そんな笑みを気にかけている余裕など、ウルフウッドには無い。

「は…痒ぃ……」
「ダメ、お預け」

無意識にウルフウッドは自分のモノに手を伸ばしていた。
だが、ヴァッシュに制止される。

「な…っ…!!」
「だって君、自分でしたくないんでしょ?」
「アカ…ン…ッ…トンガリ…!!!」

入れれたままのチューブが、ちょうど栓の役割を果たしてしまって、射精出来ないのだ。
ウルフウッドは、苦しくてたまらない。

「大丈夫、すぐ良くなるから」
「ちゃう…ちゃぅ…ね、ん…あっ、あっ!!」

そのままチューブがくるくると回される。
薬に侵された粘膜には強すぎる刺激。
更に、射精感が競り上がる。
だが、射精などさせてくれるはずも無く。

「気持ち良いでしょ?」
「ひぅッ…トンガリぃ…!!!
や…ぃやや…ァンっ…!!」
「熱い?痛い?それとも何?」
「ふぁ…んッ…!!
ゃあ…いや…や…!!トンガリ…!!
ぁ…あ…出、る…ン…出したぃ…!!」
「もう少し我慢出来るでしょ?」
「赦、し…ぁ…嫌…た、すけ…!!
ぁ、あぁ…トンガリィ…っ…!!」
「ね、ウルフウッド…」

耳に届く、低く甘い声。
その声が鼓膜を揺らし、脳を犯す。

「あっ、あっ、あっ、ひァッ…!!
苦し…ぃ…あ…!!」

突き詰められた快楽の行き場を求め、助けを求めるウルフウッド。
その瞳からは自然と涙が零れ落ちる。
自身からは行き場を失った先走りとジェルがぽたりぽたりと、共に流れ落ちる。

「…出さ、せ…てぇな…!!!」
「まだまだダメだよ」

ウルフウッドの懇願も虚しく、絶望的な一言が返って来た。

「そうそう
さっきのジェルは精液に反応するみたいだから、興奮すればする程気持ち良くなれるよ」

更にヴァッシュが追い打ちをかける。

「は…ァ……ンンっ…!!
イカ、せぇ…あ、あ、あ…!!」
「ほらほら、頑張って」
「あ、ぁ…あァ…トンガリ…!!!!
も…ア、カン…!!
我、慢出来…へん…!!」

ゆっくりとヴァッシュの固く骨張った指が、張り詰めたウルフウッド自身の形を確かめる様に撫でた。

「ぁあぁああッ…!!!」

すると、見計らった様に、ずくりと身体が震えた。
…出す事なく、ウルフウッドは果てたのだ。

「は…ァ…ん………」

射精出来ない苦しみさえも、快楽に変わりつつあるウルフウッド。
その表情は、もはや虚ろでゆらゆらと腰が前後不覚に揺れる。
快楽を求めて。

「ウルフウッド」
「ァ…トンガリぃ……
も…赦し…て、な…」

ボロボロとその瞳から涙が溢れる。
苦しさから流れる涙か。
はたまた別の涙か。
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