replicant.
□Bullet.
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銃弾一発。
引き金に掛けた指先。
鼻先を掠める硝煙。
それらが全ての終わりを決める。
俺は、生まれた時からそう信じて疑わなかった。
餓鬼の頃から生きる為に銃を握って、金で人間を殺して来た。
『何だ、坊主』
子供だから、と油断する奴は山程いた。
『……オッサンに怨みはねェよ』
鈍く輝く銃口を突き付ける。
『な、ッ…!?』
子供の身長なら至近距離、しかも見上げる様に撃つから質が悪ィ。
『悪ィな』
運が悪ければ、一撃じゃ死ねねェし死なねェ。
俺は上手い方で、下手な奴は逆に返り討ちにあって、次の日スラムに死体が転がった。
『餓鬼がヒットマン気取りか?』
俺が餓鬼だから、と端金しか渡して来ねェ奴もいた。
『…その口に飴玉をくれてやっても良いんだぜ?』
そんな奴等には、望み通り鉛弾をぶち込む。
『あばよ』
俺を見下した奴は殺す、それは今も昔も変わらねェ。
力と度胸がありゃあ生き残る事が出来る。
そんな弱肉強食の世界。
変わらない摂理。
ただ、こいつは違った。