replicant.
□Faculty.
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人類は自らの愚行により、生きる糧と言うべき全てを失った。
まず地表に出ていた川や海、湖の水が干上がる。
それにより植物が枯れ果て、家畜が次々と死に絶えていった。
かつては水の惑星と言われた地球も、今や砂の惑星となり果てたのだ。
―地球は人の住める土地では無くなった。
―地球の報復だ。
―早く地球を棄てよう。
学者達は口々にそう言った。
だが、地球から離れようにも技術が足りない。
材料も足りない。
何もかもが足りない。
愚かな人類は、地球から脱する事も出来ず、着実に数を減らしていった。
同時に進歩したはずの技術さえも、失う事となる。
だが、糧を失った人類に残された最後の希望、悪魔の実。
荒廃した世界が生み出した、その摩訶不思議な果実は、人に膨大な力を与えた。
その力は様々。
ある者は、身体がゴムの様に伸び、
ある者は、身体を砂へと変質させる事が出来る。
だが、メリットのみとは限らない。
デメリットとして、悪魔の実を食した者は制約を負う事になる。
更には得た力を民の為に振るう者は少なかった。
実によって異なる能力、異なる制約。
それを負い、生きる者達を人々は畏怖と敬意を踏まえ、こう呼ぶ。
“能力者”
と。
今、血腥い物語が幕を開ける。