*:*:* ANGEN *:*:*
□凶器
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目が覚める、という行為を自分で確認して、今のが夢だと気付く。
何であんな夢…
体を起こす勢いで目が覚めたのにその行動は抑止されて。
それは夢と同じように安…洋貴さんに抱き締められているからで。所謂、抱き枕状態です。
横をチラリと見ると洋貴さんは起きていて。
まだちょっと眠そうな目で私を眺めていた。
身の危険を察知したので洋貴さんの腕を解こうとしたらより強い力で拘束されて。
寝起きってヤバイですよね?
自覚があるのか聞いた事はないけど。
「おはよ。」
ホラ。
どんなに素の時よりも低い声。
しかも、この体勢。
大好きな人に大好きな声で囁かれて全身が総毛立つ
冷や汗を垂らしながら横をまた見ると、何やらまたまどろんでいる様子。
私は、違う意味で意識が飛びそうです
「俺の声で目が覚めたのかと思ってちょっとびっくりした。」
なんだ、寝かけているのかと思ったら目を閉じていただけですか。
「私が寝てる間に独り言でも喋ってたんですか?」
体勢は相変わらずそのままで、若干覚醒しているからか先程より破壊力はないけれど。
「まぁね。」なんて、短く答えて。「聞きたい?」と続けて。
Yesと答えるんじゃなかったと、洋貴さんの言葉を聞いて思った
同時に夢であればよかったと
普通に愛の言葉を囁かれたなら心拍数が跳ね上がる程度でまだ耐えられたのだけれど。
無理でした
これ以上、貴方に溺れる事は出来ないです
fin.
⇒後書き
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