SITENHOJI

□特技は使わな損やで
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キーンッ



という効果音がつきそうな位の怒鳴り声に近い叫び声が携帯から聞こえてきた。



思わず俺は携帯を耳から離してしまった



(なんやねん!!いきなり!!)



内心ビックリした。
心臓がバクバクいってる。
いきなり叫ぶやつがどこにおんねん。



少ししてから、深呼吸を数回して、また携帯を耳にあてる。



「…………光?」



『……何し……か聞い……す……ど………だから………ためをおも………やっ……けや………』



微かに向こうの話し声が聞こえる。



………ん?……



光の声しか聞こえへん……



でも、会話的に二人で話してる感じ……だよな……?



………どーゆーこっちゃ…



「おーい………」



『よけ………と……んとい……てや…………ええや………やって……』



相も変わらずこちらを無視して向こうで会話をしている。



早く状況を説明してほしい……


説明より先に光と話がしたい。


さっきの事なんも解決しとらんし…



仕方がなく俺は向こうに呼び掛けることにした。



「あのー…」



『……んた……や……バンッ………いっ……なに……ん……』


あっ。



とうとう物投げよった。



これは止めた方がええんか?



「ちょっとー…………」



『………らへん……バンッドコッパンッ………たっ……やめ………』



あー……



本格的に危ななってきたなぁ……



一体何投げとるんやろ。



そんなどうでもいい事を考えながら、俺は息を軽く吸って携帯に話しかけた。




「俺の話も少しは聞きー!!!」


なんて大声で叫ぶと



向こうの音が止んだ。



携帯なのに案外聞こえたらしい。



少しして、向こうから微かに会話をする声が聞こえてきて耳をすましているといきなり誰かが俺に話しかけてきた。




 
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