SITENHOJI
□白と赤の関係
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白い肌に赤色のそれは結構合ってて、
キレイだと思ったけど、
すぐに醜い嫉妬心がひょっこり顔をだした。
白と赤の関係
「ひ、光…っ!どないしたん、それ!?」
「は?なんの事言うてるのかわからへんのですけど」
「やから!それ!」
そういって俺はまだユニフォームから制服に着替え途中だった光の動きを止めて、肩らへんに付けられたそれを指差した。
「これ!」
「ぁー……これ、は…」
俺が指を差したのは真っ赤なキスマーク。
部活中はユニフォームに隠れて全く気付かなかったが
ついさっき着替えてる光をたまたま視界に入れれば赤いそれが目についたのだ。
そんな当の本人の光はなんやばつの悪そうに俺から視線を外して白石をちらっと見てから最終的に床に視線を落とした。
「えっ…もしや…」
「いや、ちゃいます。変な誤解せぇへんでください」
「いや、でも…」
「やからちゃう言うてるやろ!」
めずらしく光が怒った。
でも視線は床に向けたまま。
なんちゅーか説得力が全くないんやけど…。
「…で、も!それキスマークちゃうん!?」
「そんなんに見えるんすか?」
「当たり前やっちゅー話や!誰に付けられたん!?」
「いや、誰って…やからこれは…」
「俺が付けたんやで」
さっきまで椅子に座っていたはずの白石がいつの間にやら光の横に居た。
「え…?それほんまに言うてる?」
「せやで。な?財前」
白石の手が光の肩に置かれた。
その手を叩き落としてやりたい衝動にかられたが必死で抑えて笑顔を作ってその場を去ろうと思った。
「そっか!自分らそういう関係やったんやな。お幸せに!俺帰るわ!ほな」
「ちょ、謙也さ…っ!」
光が何か言っていたが聞こえないフリをして全速力で家までの道のりを掛けてった。
(あかん泣きそう。あー、くそ!)