お題小説部屋

□猫耳の少女
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クビラは、いつも通り家の中で仕事をしていた。


「ふう。仕事も片付きました。久しぶりに杏樹と遊びましょうかね。」

クビラはすっと椅子から立ち上がり、杏樹がいつも遊んでいる庭園に足を運んだ。



「いい?杏樹とサンテラ。お前等は他の子供会の十二神将達と比べて、踊るリズムが悪すぎる。これではお前達だけが目立ってしまう。そこで、面白い物を作ってみたんだ。」

庭園の陰で、クビラは足を止めた。

アンテラが入っている、壬生子供会の十二神将というダンスチームの監督の時人が、庭園まで十二神将全員を呼び出していた。

人ン家に勝手に人をわらわら呼びやがって・・・。

などというクビラの文句も、その「オモシロイモノ」という言葉に吹っ飛ばされた。

「ふふふ・・・。真のクビラ。そんなトコに居ないで、こっちにおいでよ。」

時人は始めッからクビラの存在に気がついてたらしい。

ちなみに、クビラは杏樹が十二神将に入る事で、危険な目に遭うのではないのか心配だった為、もし、今のクビラが辞めた時に、すぐにクビラとして十二神将に入るという事で、いつも杏樹の周りをチョロチョロとしている。

クビラは大人しく出てくる。

「あ、父様ぁ。」

杏樹が高めの澄んだ声で、クビラに甘えてくる。

「あ・・・杏樹・・・・・。」

(な、なんて可愛いんだ・・・!!何故こんな大切な時に使い捨てカメラを持ってないんだ!クビラの馬鹿野郎ッ!!)

そんなクビラの握り拳を横目で見ると、時人は杏樹とサンテラに目を戻した。

「さて、本題に戻ろう。さあ、杏樹にサンテラ。この、旋律覚醒剤・・・。スライム・モンスターを注射すれば、君たちも普段の2倍・・・いや、5倍は上手に踊れるハズだよ。」

何だよ漢字では本格的のくせに英語に直したら原作のパクリかよ・・・。

などという突っ込みはナッシングで・・・(

「さあ、杏樹とサンテラ。・・・キレイに踊りたいだろう?」

「父様・・・。怖い・・・。」(またも原作まんまスンマセン)

クビラに抱きつく杏樹にクビラはロックアウト!!

「ぐは・・・ッ!!と、時人様。折角ですが・・・。」

「俺にも打ってくれ。上手くなる為なら何でもしよう。」

そこで、十二神将が一人・マコラがさっと出た。

「それしか・・・道が無いのなら。」

「わ・・・分かりましたあ。」

「ふふふ・・・。君達、本当に聞き分けがいいねえ?楽しみにしているよ?君たちが―――(以下略)」



ダーーー!!
こっからはこの梵天丸様が、ちと、影陰からの謝罪文を読まさせて頂くぜッ!!
『読者の皆様へ。
この度は、わざわざこんな糞HPへこんな糞小説を読みに、忙しいお時間を使ってまで来てくださった事に、本当に感謝しています。
その皆様の優しさに応えようと、この影陰もやれる事はやっているつもりでございます。
ですが、私、影陰 熔は、まだまだ未熟の餓鬼です。
こんな、原作にそった小説を書いてしまい、皆様の期待を裏切ってしまい、誠に申し訳御座いません。
この小説は、きっと原作沿いになってしまうでしょう。
ですが、次からの小説は、皆様の期待に応えれるようなものを書きたいと思います。
乱してしまい、すみません。
引き続き、『猫耳の少女』をお楽しみください。。。』
・・・・暗ェな・・・。
全く・・・こんな影陰を、許してやってくれッ!頼むッ!!じゃあなッ!!



「杏樹・・・。その薬は体に悪い・・・。打つのはやめなさい。」

十二神将が帰っていった後、クビラは杏樹に一目散にそう言った。

「い・・・嫌よッ!私だって踊らないと時人様に辞めさせたれるもの!!」

ガーン・・・・。

あ、杏樹が私に反抗した・・・?

「分かった・・・。もう、好きにするがいいよ・・・。」

(ぱたん)

クビラは自分の部屋に一日中こもったとか・・・・。

「んんんんん・・・・。ハッ!?し、しまった!!調子に乗って部屋にこもってしまった!!杏樹ーーー!!注射は打つなーーー!!」

(カラ―――・・・ン)

「あ、杏樹!?」

そこにはッ!!注射を打ち終え、打った所を抑えている杏樹の姿がッ!!

「ノオオオオオオオオオオオ!!!」

「しっ、仕方ないでしょ、父様!私だって、キレイに踊ってみたいんだもん!!」

「なんて馬鹿なことをしたんだッ!!その旋律覚醒剤を打ったら、お前はトンデモナイ姿になるというのにーーー!!」

「と、父様?何を言って・・・・あああああ・・・・。」

杏樹は頭を抑え、しゃがみ込んだ。

「あ、杏樹―――!!!」

しかーし!

注射を打っても、何も変わらない・・・。

「な、何よー!なんにもならないじゃないッ!時人様の馬鹿あー。」

杏樹がガッカリして、頭から手を離すと・・・。

「あ、あ、あ、ああああああああ杏樹ぅぅぅぅううぅうぅぅぅうぅぅ!!!?」

クビラは杏樹をガシッと掴んだ。

「え・・・?父様?」

杏樹はクビを傾げる。

(ぴくっ)

杏樹の「何か」が蠢いた。

「ふえ?何だか、頭に・・・。」

杏樹は頭に手をやった。

そこには・・・。

フサフサしていて、三角っぽくて、二つ「生えて」いる・・・。

「・・・・動物の・・・耳?」

「そーーーなんですよッッ!!猫耳なんですよッッ!!お前はアレを打ってはならなかったんですよッッッッ!!!」

クビラは「ああああ゛ー」と言うかのように、頭を思いっきり掻き回した。

「と、父様っ。落ち着いて。どういう事なのか教えてっ?」

「あーいいだろう!!お前は生まれたその時から猫耳が生えていたんだッ!それを如何にかしてもらうべく、神である太四老のひしぎ様に術を施してもらったんだッ!!その代償に私は・・・私はあああああああッッ!!」

クビラは、最早キャライメージを取り乱し、暴れ狂うばかりに、頭を掻き回す。

「おち、落ち着いて・・・。父様は何をしたの?」

杏樹は出血大サービスでにっっこりとスマイルした。(

そこで、正気に戻ったクビラは、自分の愚行を恥じるように、「ゴホンッ!!」とわざとらしい咳払いをした。

「私は・・・・。」

「私は・・・?」

「私は・・・・・私は・・・・。」

クビラは、ぐっと堪えるように下を向いた。

「私は、一年間、太四老の方々のトイレ掃除をしたのだ・・・。」

・・・・・・・・・・・・・・・・。

なんだよそれは・・・全然つまんねえじゃん。

などという突っ込み所を、杏樹は分からなかった。

「ひ、ひどい・・・!!私の為に父様がそんな・・・!!私のことなんて、どうでも良かったのに・・・!!」

本気で涙を流していたりもする。

「いいんだ・・・。杏樹・・・私はお前が猫耳を生やしていない・・・。それだけで幸せだったのだから・・・。」

おいおい何いい雰囲気に入っちゃってんだい・・・。

「父様・・・。ありがとう・・・!!そんな事も知らずに私・・・ッ!!ごめんなさいっ、父様ッ!」

杏樹は、ぎゅっとクビラに抱きついた。

「ああ・・・杏樹・・・。大丈夫だ。また、ひしぎ様に術を施してもらおう・・・。なっ?」

クビラも、杏樹を抱き返す。

「で、でも、それじゃあまた、父様はトイレ掃除を一年間もしなくちゃならないんだよ・・・?」

「いいんだよ。杏樹。お前の猫耳が消えるなら、私はトイレ掃除一年分など、痛くも痒くもない。」

クビラは悲しそうに笑った。

それを見てしまった杏樹は、しゅん・・と下を向き、パッとなって、また上を向いた。

「それじゃあ、私も手伝うっ!そうしたら、二人分で一年が半年になるかもっ!!」

「あ・・・杏樹・・・・。」

(うるるるんっ)

クビラは、ベタ映画に出てきそうな杏樹の言葉に、もの凄ーく感動した。

「あああああ杏樹ぅぅうぅうっ!!お前はなんて優しい仔なのだあああッ!!私は感動したぞおおおおっ!!よし!早速ひしぎ様の元へゆこうかっ!!」

クビラは杏樹をお姫様だっこして、猛スピードで壬生内を駆け回った。

・・・・1分後にダウンしたのは内緒の話(笑)。

「ぜはーっ、ぜひーっ、ひゅー、ひゅー・・・。ひっ、ひしぎ様っ・・・!!どうか・・・・っ杏・・・樹の・・・猫耳・・・を・・・消して・・・く・・・ださい・・・。」

ガクッ

クビラは、それをひしぎに言い残し、息絶えた。

「・・・はあ。仕方ありませんね。トイレ掃除、一年分ですからね・・・。」

(チャキッ)

ひしぎは腰にかけている、愛刀・白夜を取り出した。

「・・・・?」

杏樹は恐怖も対抗も否定もせず、ただ単にきょとんとしている。

「大丈夫です・・・楽に・・・終わりますから・・・・。動かないで下さいね。」



まあ、その後、ひしぎの必殺技・白夜調で、一瞬にして杏樹の猫耳を切り落としたという・・・。

それから一年間。

杏樹とクビラは、仲良く太四老のトイレ掃除をしたんだとか・・・。

ただ・・・・。




『庵家へいらっしゃーい!!』

「ゆっくりしてってねーww」




庵家の人々はフレンドリー過ぎて、トイレ掃除もせず、わいわい遊んでいたとかなんとか・・・・。

そして、旋律覚醒剤を打った残りのサンテラとマコラにも、猫耳が生えてしまったんだとか・・・。

さらに、旋律覚醒剤は、実は時人が暇つぶしに作った、猫耳を生やすだけの効果しかない薬だったという事実も・・・。

「どっ、どうしましょう・・・。私・・・猫耳を生やしてしまって・・・私・・・。どうしましょーーーーっっ!!!」

「・・・・・くっ・・・。(泣)誰か・・・コレをどうにかしてくれ・・・。」

「きゃははははっw二人とも、とーっても似合ってるよww」




『・・・・・・うわああああああんっ!!』

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