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□花から雪へ変わる頃(甘い物が恋しいの)
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花が舞っていた季節に、別れを告げて。
そうしてそろそろ雪が降る時期になっただろう頃に、また出会った。
「こうしてみると、皆久しぶりだね」
テーブルに置いてあった皿からチョコレートを一粒つまみ、アレルヤは笑顔でそう言った。
「四年だもんなー。刹那、大きくなったな」
「毎日、牛乳飲んでたから」
ロックオン、否、ニールは刹那の頭を撫で、自分のコップにお茶を注ぐ。
「寒くなってきたな。刹那、何か羽織るものを貸そう。」
「大丈夫だ。ティエリアこそ、寒くないのか?」
「俺は問題無い。では、温かいお茶を淹れなおそう」
「自分で出来る」
「やらせてくれ。俺には君に対して、これくらいのことしか出来ないんだからな」
四年前では決して考えられないほどの笑顔で、ティエリアは刹那のコップにお茶を淹れ始める。
「ティエリア…お前なんか優しくなったな」
「刹那限定でな。貴方のお陰でもある。ロックオン」
「それは、どうも。でも刹那は俺のだからな」
にこりと微笑み、ロックオンは小皿からグミを一粒取り、自分の口へと放り投げた。
「それにしても刹那も優しくなったよね。まさか刹那の家に入れてもらえるなんて思ってなかった」
「皆とまた話したいと言ったのは俺だし、当然のことだ。」
「刹那、この菓子は?」
ロックオンはまたグミを一粒摘むと、刹那に向かってそう訊ねた。
「買ってきた。足りると、いいんだが」
「可愛い事しやがって。このふにふにしたやつ、すっげー美味い。」
「グミ、と言うらしい。色が綺麗だったから」
「刹那。こっちはチョコレートだよね。僕甘いの好きなんだ」
自分のコップにミルクティーを注ぐアレルヤの笑顔は、四年前よりも更に綺麗なものへと変わっていた。