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□黒猫さんが嫉妬してしまいました。
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「ハレルヤ、マルチーズは何でこんな可愛いんだろ…」
脳内にいるもう一人の自分に話しかけるアレルヤの手には、一つの雑誌が握られていた。
「知るか。それよりアレルヤ、扉開けろ」
「え?何で?」
「黒猫が来るぞ」
黒猫?
スメラギの許可が下りない限り、艦内に動物を連れ込んではいけないという決まりがある。
そんな艦内に、黒猫などいるわけが無い。
アレルヤは彼の言うことを信じてはいなかったのだが、一応部屋の扉を開ける。
「ほら、黒猫なんていないじゃないか。ハレルヤ」
「今曲がり角から出て来るから。ほら、ミルクの準備でもしやがれ」
「だからこの艦内には動物なんて……」
アレルヤが大きく目を見開く。
その目線の先には、部屋の少し前にある曲がり角からふわりと廊下を滑ってくる人物の姿があった。
「刹那?」
「アレルヤ、ちょうど良かった。今、大丈夫か?」
「う、うん!どうしたの?」
「少し暇になったから、話そうかと思った」
「僕も刹那に会いたかった!」
俺に礼は無しかよ。
ハレルヤがそう呟くのも尻目に、アレルヤは満面の笑みで刹那を部屋へと招き入れた。