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□きらきら水飴
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ねりねりねり。

刹那の両手には細長い棒が握られており、その棒の先には透明の固形。

刹那は先程からその固体を、両手の棒を使って器用に練っている。


「刹那、何それ」

「水飴と言うらしい。アレルヤとティエリアからもらったんだ」

「へー。なんで練ってるんだ?」

「こうやって食べないと美味しくないとティエリアが。」


ただひたすら練り続け、透明だった固体も白いものへとその色を変えていた。


「もういいんじゃないか?色変わってる」

「どうやって食べるんだ」

「普通に?棒の先についた水飴をぱくっと…」


ロックオンに言われたとおり、刹那は右手に持っていた棒を、たっぷりの水飴と共に己の口へと運ぶ。


一回じゃ食べ切れなかったのか、少し舐めるとまた口から出す。
水飴を食べたことが無かった刹那は数回それを繰り返した。

普通の光景。
実際、夏祭りなどでも良く見かける光景だ。


しかしその子供らしい姿を見て、ロックオンは何故か舌なめずりをする。
それも刹那の顔を直視しながら、だ。


「どうした?」

「いやー?せっちゃん、もしかして俺のこと誘ってんのかなって思って」

「は?」

「あー、悪い悪い。お子様には早かったか。」

「だから何が、」


刹那の口から言葉が吐き出されようとした途端、ロックオンは自身の人差し指を刹那の口元へあてた。


「可愛い顔してそんな乱暴な口使いはいけません。口に水飴ついてる」


ロックオンは刹那の顔に自分の顔を近づけ、舌を使い刹那の口元へついていた水飴を舐め取った。


「っ…!」

「想像通り甘い。せっちゃん、もうちょっともらっても…」

「アレルヤとティエリアにもらえ!俺は部屋に戻る!」


顔と耳を真っ赤にさせ、刹那はその場から走り去った。
一人残されたロックオンは少し呆然とし、そして微笑んだ。


「可愛いねぇ。ほんと」


そう呟くロックオンの口の中には、甘い甘い水飴の味が残っていた。



end

next…あとがきという名の反省文




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