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□雷(、刹那君の受難)
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「君と二人で地上に来るのは初めてだな、刹那」
「あぁ。」
この日、刹那とティエリアはスメラギから休暇が与えられていた。
「たまの休みくらい、地上に行って遊んできたら?」と彼女が言うので、二人はその言葉に従い地上に降りてきていた。
「ティエリア、雨が降りそうだ。俺の家で良かったら雨宿りしていくか?」
「お言葉に甘えさせてもらおう。しかし俺は少し買いたいものがある。先に行っててくれないか?」
「分かった。でも、少し待て」
刹那は自分が持っていた鞄の中から、紫色の折りたたみ傘を取り出した。
そしてそれをティエリアの手へと握らせる。
「雨が降ったら困るから、傘」
「すまないな。じゃあ、すぐに行くから」
ティエリアは刹那の頭を撫でると、人の群れの中へと姿を消していった。