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□夏祭り
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人々が混雑する地上の祭り。
鮮やかな色の浴衣を着た女性や、家族連れの明るい声。
太鼓の音が腹に響く感じを味わいながら、人々の中へと入り込み歩くというのは、実に祭りらしい。
「人多いなぁ。さすが地上だ」
「本当ですね。本当にあの中を歩けるんですか?」
「なんという人の数…だから地上は嫌いなんだ」
「人は多いな、確かに。」
久々に休暇をもらったマイスター達もまた、この地上の祭りというものに参加をしようと、足を運んだのだ。
しかし普段滅多に体験しない人数の多さに、皆呆気に取られた。
先程から聞こえてくる放送も、迷子のお知らせや落し物、盗難事件と、人が多いことから生まれる事件の内容ばかりだった。
「刹那迷子になるなよ。俺と手繋いで歩くか?」
「なんというセクハラだロックオン。ここは俺と刹那が手を繋いだほうが違和感はないだろう」
「刹那と僕は肌の色とか髪の色が似てるから、僕達が手を繋いでもただの兄弟ってしか思われないんじゃないかな」
刹那は身長が低く、小柄な体型だ。
いつ迷子になってもおかしくはないだろう。
皆がそれぞれ刹那のことを心配し、手を繋ぎながら歩くということを勧めている。