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□やきもち
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俺は今とても困ってます。

だってゆーと君が拗ねちゃったんだもん。

最初は良かったんだよ?

俺の部屋に入って来たまではね?

だけど今は・・・

「ねぇーゆーと君?」

「・・・」

さっきからこの調子。

そっぽ向いたまま、俺に背中向けたまま座わっちゃってんの。

俺何かしたかな?ありすぎて分かんないよぉー。

こうなったら、と俺は殴られる覚悟で栄口の腰に手を回して抱き寄せた。

「うわっ!ちょっ、水谷!」

栄口は俺の腕の中でもがいた。

あれ?殴られない??

「なに怒ってんの?俺何かしたんでしょ?ごめんなさい。大好きだよ、だから許してよ」

俺は殴られないうちに謝った。

俺が謝ったからか栄口が大人しくなった。

「栄口ぃ?」

俺は後ろから覗き込んだ。

そしたら栄口の目に涙が溜まってて。

「さかえぐちっ!?何で泣いてんの?」

俺はどうして良いか分からなくてぎゅっと抱きしめていた手を強めた。

「・・・水谷、今日告くられてたでしょ」

わっ、見られてたんだ。

「け、けど!俺ちゃんと断ったよ!!」

俺は慌てて言った。

「俺見てたんだよ。水谷告くられた後、女の子にキスしたでしょ」

栄口は言った後、下を向いてしまった。

「へ?キス??俺が?ちゅーしたって意味??」

俺の疑問だらけの答えに栄口が横を向いて、俺と目が合う。

「違うの?」

俺はうーんと唸った。

「多分、栄口が見たのは俺が謝った場面だよ。泣き出したからさ、涙拭いてあげてたの」

背小さくて屈んだからキスしたように見えたかもね。

そう言って俺は安心させるようにへらりと笑った。

そしたら栄口は耳まで真っ赤にして俯いた。

「ごめん、水谷。俺・・・」

「んーん。俺、嬉しいよ!!栄口がやきもち妬いてくれたって事でしょ」

えへへと笑ってぎゅっと抱きついた。

「・・・ばか」

栄口はそう言って俺の方を向いた。

そう思ったらほっぺたに柔らかい物が触れた。

目の前には真っ赤な栄口の顔。

えっ!?

「ぇぇえ!!ちょ、栄口!もう一回!」

「やだよ!」

「お願いぃー!!」


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栄口くんにやきもちを妬かせたかったんです。すみません。
ここまで読んでくださってありがとうございました!

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