風吹きぬける大地W
□この温もりを手放せなくて
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「レオが私に優しくしてくれるのは分かってるのよ。……でもさ、それが……」
『かえって不安?』
「そうなのよ! なんかもうちょっと可愛げがあってもいいと思わない?」
『レオに可愛げ求めるのか?』
思わずミレイは可愛いレオというものを想像し、表情を引きつらせた。
「だってさ……。レオって私のこと助けてくれるけど、基本的に放任だもん。私のが危ない〜ってときは来てくれるけどさ……私が何してても構わないっていうか……私が浮気してもただ笑って許してくれそうなんだよね……」
『浮気って……』
『ミレイ、レオ以外の人が好きになったのか?』
「まさか!」
心外、とばかりにテーブルを叩く。
「私の王子様はレオだけよ!」
『あーはいはい』
『それで、両思いなんだから悩む必要あるの?』
若干呆れたようにミレイを見る2匹。
「だからさ……! レオ、優しすぎるのよ! ……レオって勝手に思いつめて、勝手にどっか行っちゃいそうな気がして……」
『……それはある』
もしミレイが他の男性といい雰囲気になったら、レオは迷わず身を引くだろうということが容易に想像できてしまう。
「だからさ、不安になるのよ……。もしレオは、私がいなくなったらどうするんだろう、って」
『それは……』
ディアも言葉を失う。
「レオさ……人の考え読めるくせに自分に向けられる好意とかには弱い気がするのよね……。だからさ、臆病になって……どっかに行っちゃう気がするの」
『ミレイ……』
「だからさ、ちゃんと見てなきゃって思うんだけど……やっぱり不安なんだもん」
ディアとニュイは顔を見合わせた。
『……やっぱり、ミレイって凄い』
『私たちよりレオとは短い付き合いなのに、レオのこと私たちよりよく分かってる』
『と、いうことで入ってきたらどうだ?』
ニュイの言葉は部屋の外に向けられていた。
「え?」
ミレイが驚いて扉を見る。
自然と扉が開き……そこにはレオが立っていた。