風吹きぬける大地W

□闇の来訪と光への旅
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ここはトラヴァースタウン。


住んでいた世界を失った者が集まり作られた街。


「……世界が、なくなった?」

ミレイの目の前が真っ暗になる。

「そんな……じゃ、じゃあ、他の人たちは……?」

「………」

黙って首を振るエアリス。

「……嘘。レオがいなくなるわけがない。レオのことだから、どっか別の世界に行ってるに決まってるわ」


あのレオが、いくら世界がなくなる事態とはいえ簡単に巻き込まれるわけがない。

きっとどこか別の世界にいるはずだ。


そうに決まってる。
















ミレイがトラヴァースタウンにやって来てから数日。


常に前向きなのはミレイの長所。

嘆いて、落ち込んでいたところで事態が変わるわけではない。


ミレイは一番街のアパートの一室を借りて暮らしていた。


ミレイと同じように自分の住んでいた世界がなくなってトラヴァースタウンに辿り着く人は大勢いる。そういった人たちのために、安く借りられるのだ。


つまり、世界を失った人が沢山集まる場所。


それが功を奏した。


「やっぱりここに来てたね、ミレイちゃん」

「よう、元気そうだな」


部屋を訪れたのは、ミレイもよく知る人物。


クレインとマサだ。


ミレイは顔を輝かせるものの、すぐに表情を曇らせた。


「うん! ……でも、レオは?」

「……それは」

それにクレインたちも答えにくそうに言い淀む。

「……あいつは、行方不明だ。ディアとニュイも」

「そんな……!」

マサの言葉を、ミレイは信じられなかった。

「……レオも世界間の移動が可能だから、いずれはトラヴァースタウンに来るはずだ」

「……だから、ミレイちゃんはここで待ってて」

「……2人は?」

「もちろんレオを捜しに行くに決まってるだろ」

「私も行く!」

迷わず、ミレイは言った。


マサとクレインも、ミレイがそう言うのを見越していたかのように、すぐに頷いた。

「そう言うと思った」

「ただ、俺の運転荒っぽいから気をつけろよ」

「荒っぽい運転はレオで慣れてるもん!」


すぐにミレイは出発の支度をした。










END
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