風吹きぬける大地W
□前章
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「あいつらを見ていると、気分が悪くなる。……知らなかったとはいえ、俺はそんな計画の一端を担わされていた」
「……それで、スナッチ団を抜けるってのか?」
「ああ。餞別で小型スナッチマシンは貰うつもりだけどな」
「……ちなみに、大型は?」
「俺以外にスナッチできるのがいると面倒だからな」
しかし、大型は運ぶのも面倒。
ということはつまり。
「……火薬、足りてるか?」
「これから調達する」
ニヤリとレオが笑った。
「……本気、なんだな」
「ああ」
レオに気負った様子はない。
「……そっか。なら、俺は俺の方でそのポケモンを調べてみる。視えなくても感じられるかもしれないしな」
「マサなら識別できるさ。やたら凶暴なポケモンがいたらそうだと思えばいい」
「了解っと」
マサは伝票を手に立ち上がる。
「おいおい、自分の分くらい払う」
「俺からの餞別ってことで」
「随分と安い餞別だな」
「俺からすれば、随分安い迷惑料なんだよ」
「それもそうか」
2人はひとしきり笑い、まるで翌日また会うかのような気安さで別れた。
この数週間後、オーレ地方中にスナッチ団壊滅のニュースが流れることになる。
END