風吹きぬける大地W

□ドッキリその後は
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「……あー、しまった」

クレインが後頭部を掻く。

「これでクリア、だな」

どこか不満そうに、レオはバーチャルルームから出た。

「しかし、最後のアシッドレインは突貫工事だったな」

「あー、やっぱ?」

クレインが苦笑する。


今までのはヴァーチャルシミュレーション。


公に出来ない、するつもりもない技術を用いてクレインが開発したものだ。

今回レオが頼まれたのは、その試運転。


クリア条件は指定場所に辿り着くこと。

クレインはそれを邪魔していたのだが、雨のせいでレオの姿を見失ってしまった。その隙にレオはゴール。


結果、レオのクリアだ。


「でも、術式を奪うなんて……流石レオ、としか言いようがないな」

「それで慌てて追加でプログラミングして雨を降らせた、というわけか。速さはなかなかのものだが、ずさんだったな」

「あー、やっぱ?」

クレインは苦笑し、プログラムをさらに修正していく。

「よし、じゃあ次はマサに協力してもらおうかな?」

「……まだ根に持ってるのか」

「そりゃあ、少しはね」


マサのことだから恐らく、ゴール直前に仕掛けられた大量のトラップにやられるだろうということがレオには簡単に想像できてしまった。









END
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